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3.マイナスどうしの掛け算
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なぜマイナスどうしの掛け算はプラスになるの?
- まずは図1を見て下さい。
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| 図1 |
チームDragonsのトップチームの今年の戦績が良くありません。そのせいで週1回ある試合の観客数が少なく、1試合ごとに50万円ずつ赤字が出ています。昨日の試合で現在のクラブチームの経営状況は120万円の赤字です。
Dragonコーチ「ここのところトップチームはずっと負けているからね。こないだとうとうDragonsの経営が赤字になってしまったんだよ。」 Snake君「みんなもっと応援に行かないとだめだよ。僕なんか毎週必ず試合を見に行っているよ。」 Jason君「でも、トップチームが弱いんだもん。試合に負けるとやっぱりつまらないよ。」 Selicaちゃん「ところで、Dragonsはいつまで黒字だったのかしら。」 Novy君「簡単だよSelicaちゃん。それはねぇ。現在120万円赤字なんだから、1ヶ月前が70万で2ヶ月前が20万で・・・3ヶ月前だよ。」 Selicaちゃん「うん。それは分かるんだけどね。そうするとどうやって計算するのかしら。-120+(-50×-3) = -120-150 = -270。あれ?おかしいわ。」 Dragonコーチ「Selicaちゃん。最初の式は正しいよ。でも、-120+(-50×-3) = -120+150 = +30だよ。」 Selicaちゃん「えー?-50×-3 = +150なの?マイナス掛けるマイナスはプラスってこと?でも多分答えは+30で正しいのよね。」 Dragonコーチ「Selicaちゃん、いい質問だね。なぜマイナスどうしの掛け算はプラスになるのだろう。みんなで考えてみよう。」
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-1×-1=+1になる理由
- なぜマイナスどうしの掛け算はプラスになるのでしょう。
その理由を考える前にA×-Bや-A×Bといった異符号どうしの掛け算を復習しよう。 -A×BはA×Bと同じ考え方です。 まずは自分で考えてみてください。
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思い出しましたか?掛け算の基本は足し算の繰り返しです。 A×Bは A+A+・・・+A+A でしたよね? つまり-A×Bは (-A)+(-A)+・・・+(-A)+(-A) =-A・B となります。
次にA×-Bを考えてみましょう。 こちらの式はさきほどのように足し算で考えることはできないので、A×-Bを-A×Bの形に変換してしまいます。 やり方はこうです。 A×-B = Cとすると、 (A×-B)/A = C/A -B = C/A -B×A =(C/A)×A -B×A = C 結局、A×-B = -B×A となりました。 つまり、A×-Bも-B×Aも-A・Bになるのです。
ではいよいよ-A×-Bを考えてみます。 -1×-1 = +1となれば、-A×-B = +A・Bであることは簡単に分かります。
証明1 -1×(2-1) = -1という式から証明してみます。 -1×(2-1)は-1×1ですので、-1になりますよね? -1×(2-1) = -1 -1×2+(-1×-1) = -1 -2 +(-1×-1) = -1 -1×-1 = -1+2 -1×-1 = +1
あら不思議。-1×-1=+1になってしまいました。
証明2 次は2つの同じマイナス値の差を求めてみます。 (-1) - (-1)= 0 (-1)+(-1)×(-1)= 0 -1 × -1 =+1 同じ値の差なので等式の右側は0で間違いないですよね。 やはり-1×-1=+1なのです。
なぜ-1×-1=+1なのでしょうか?これには種も仕掛けもありません。私達の身近には、マイナス掛けるマイナスという現象が他の現象よりも圧倒的に少ないのです。そもそもマイナスという記号すら昔はなかったので、マイナスの掛け算というものもマイナスの符号を発明してから考えるようになったぐらいです。だから、マイナス掛けるマイナスという数少ない現象をたくさんイメージすれば、違和感が薄れることでしょう。
| ワンポイント(1) |
| 西暦876年頃、インドでゼロの記号が使われていたといいます。また西暦1150年頃、同じくインドで、バスカラがマイナスを負債(ふさい)という意味で説明したと言われています。このインドの記数法とアラビアの数学をイタリア(ピサ)のレオナルドがヨーロッパに伝えたのが始まりだと言われています。 |
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マイナス×マイナスをイメージしよう
- マイナス掛けるマイナスという現象をたくさんイメージしましょう。
紙とペンを用意してください。そして図を描きながらなぜそうなるのか考えてみましょう。
イメージ1 幅がx-2で高さx-3という長方形の面積を求めてみます。 (x-2)×(x-3) =x-2x-3x+(-2×-3) もし式がx-2x-3xだけであれば、-2xと-3xの重なった面積の分だけ多くマイナスしすぎてますよね?ですので、この式はマイナスしすぎた面積から(-2×-3)=+6の分を補っていると考えることができます。
イメージ2 数直線を描いてA-Bについて考えてみましょう。数直線を使うことで私たちは簡単にマイナスをイメージすることができます。 A-BはAとBの差を求めることです。差は数直線上の距離を表します。AとBにいろいろな数字を入れて差を計算し、なぜそうなるのか考えてみましょう。
イメージ3 利益と借金について考えます。 以下の式を比べてイメージしてみましょう。例えばプラス×プラスであれば”2万円の利益の3倍を得た”という感じでイメージします。 プラス ×プラス =利益を得た =得 マイナス×プラス =借金を得た =損 プラス ×マイナス=利益を無くした=損 マイナス×マイナス=借金を無くした=得
イメージ4 サッカーのビデオを見ているとして、ある選手が秒速8m走っているところを一時停止したとします。そしてビデオを早送りあるいは巻き戻しするとどうなるでしょうか。一時停止した位置を0として、そこよりも攻撃方向をプラス、守備方向をマイナスとすると、何メートルの位置にいるかをイメージしてみましょう。例えばプラス×プラスであれば”その選手は攻撃中で+2秒早送りすると2×8=16m現時点よりも攻撃方向にいる”という感じでイメージします。 プラス ×プラス =攻撃中×早送り =現時点よりも攻撃方向 マイナス×プラス =守備中×早送り =現時点よりも守備方向 プラス ×マイナス=攻撃中×巻き戻し=現時点よりも守備方向 マイナス×マイナス=守備中×巻き戻し=現時点よりも攻撃方向
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マイナスの役割
- 今度はマイナスについてもう少し抽象的に考えてみます。
そもそも数におけるマイナスの役割とは何でしょうか? マイナスを視覚的に見ることができる数直線上で考えてみてください。
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何か分かりましたか? では図2を見てみましょう。
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| 図2 |
マイナスとは元の数に対して0を基準に逆方向を示すものと考えることができるのです。 次の式を比べてみてください。 1=1 1×(-1)=(-1)=-1 1×(-1)×(-1)=(-1)=+1 1×(-1)×(-1)×(-1)=(-1)=-1 1×(-1)×(-1)×(-1)×(-1)=(-1)=+1 さらにn>0であれば次のことが言えます。 (-1)=-1 (マイナス符号が奇数個) (-1)=+1 (マイナス符号が偶数個)
マイナスがたくさん出てきたからといって、何も恐れることはありません。大事なのは(-1)×(-1)=+1であることを知っていれば良いのです。 これをコインの金額計算で考えてみましょう。
10円玉のコインが2枚あります。表が出れば+10円、裏が出れば-10円とします。10円玉のコインを投げたら2枚とも裏の反対の反対の反対の反対の反対になりました。金額はいくらでしょうか?
裏の反対の反対の反対の反対の反対は結局表ですよね。 これを式に書くと -10×(-1)×2 =-10×(-1)×2 =+20 これだけの話しです。面倒な計算はありません。 大事なのは、何がプラスで何をマイナスとして考えればいいのかを見つけることにあります。
--- Selicaちゃん「なるほど。毎週50万円の赤字の場合の3週前の状況は、-50×(-3)=+150だから、現在よりも150万円の利益があったと考えることができるのね。」 Dragonコーチ「その通りだね。現在の赤字は120万円だから、-120+150=+30、3週前は30万円の黒字だったんだね。」 Selicaちゃん「そうですね。」 Dragonコーチ「私達にとって、マイナスどうしの掛け算はとてもなじみが薄いけど、数学の授業ではたくさん出てくるよね。だから、このギャップを埋めるために、少しでもマイナスどうしの掛け算を探してイメージする必要があるんだ。」 Novy君「でもさ。元はと言えば昔の人がマイナスを発明したからだよね。あ~あ、マイナスなんて発明されなかったら良かったのになぁ。」 Snake君「僕の数学の成績はいつも”Cプラス”だけど、Novyはいつも”Dマイナス”だからな。ハハハ。」 Novy君「ひーん。またいじめられた。Dragonコーーーチ!」
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